■２番人気・３着■　10頭立てながら好内容で未勝利を卒業した３歳馬や、現クラス好走馬が揃いレベルの高い一戦。２番人気３着と好結果は得られなかったが、現クラス上位のポテンシャルは十分に感じられた。未勝利卒業に７戦を要したが常時好内容のレースを見せており、１勝クラスでも掲示板を確保。前走の紫苑Ｓは格上の重賞挑戦となったが小回りコースでも上り３位をマークし0.3秒差の４着に善戦。今回は自己条件で得意の東京1800ｍに戻り２勝目の期待は大きかった。レースでは出遅れ癖が改善されたと感じさせる好スタートを切り、序盤は先団を追走していたが前を走る馬が下げた事で中団まで馬順を下げられてしまう。超スローペースで折り合いにも苦労し馬群の中で我慢させながら直線に向く。向こう正面で先手を奪った勝ち馬がペースを味方にラスト11.1-11.0-11.1秒と速いラップで逃げ切ったが、上り32.6秒の最速タイで馬群から脚を伸ばし３着は確保した。直線に向き囲まれた状態から追い出しが遅れてしまったが、速い上がりのなか馬なりで差を詰めゴール前でグイッと脚を伸ばした内容は先着を許した２頭と互角以上の評価ができる。ダートを試した後の５戦目からは上り３位以内を７戦続けており、福島・新潟・中山・東京とコースを問わず速い上がりを使えるのは武器となる。乗り難しい面が残るなか鞍上が固定されていない点は弱みも、まだ上を目指せるポテンシャルは確かである。再度得意の東京コースが舞台となる次走で２勝目に期待したい。

■７番人気・４着■　芝・ダートを問わず５勝を挙げたマイヨアポアの全弟が、条件に恵まれないなか差のない４着に好走し今後に期待できる走りを披露した。デビュー戦の前走は中山マイルコースの１番枠で出遅れ終始揉まれる厳しいレースとなり10着に敗れたが、直線は最内を突いて上り２位の34.6秒をマークし能力の片鱗は見せたが、今回は開幕週で断然内・前有利の馬場コンディションのなか16番枠と厳しい戦いが予測されていた。スタートは互角も不利な外枠で序盤は無理せず後方に控える。前半からペースは緩まなかったが後方外目を終始楽な手応えで追走し、４コーナーでは徐々に促されながら外々を上昇し直線に向いてスパートを開始する。先行勢が馬場を味方に馬順をキープしラスト３Ｆを全て11秒台でまとめ先行決着となってしまったが、大外から長く脚を使って差を詰め後方待機組では唯一となる掲示板を確保した。結果的に先行勢が上位を独占するなか４コーナー10番手以降から４着まで突っ込み、大敗した後方待機勢とはポテンシャルの違いを感じさせる内容となっている。上り33.9秒は最速タイで通ったコースを考えると先着を許した３頭と互角の評価できる。初戦で見せた右にモタれる面も改善されていたようで、高いポテンシャルをレースでも発揮できるようになっているのは収穫となった。姉同様に距離短縮戦で前進する走りを見せ、馬格からも短距離戦なら芝・ダートを問わず安定して上位争いに加われそうだ。早い段階での未勝利卒業にも期待してみたい。

■４番人気・５着■　人気を下回る結果に終わった初陣であったが、道中の不利とコース取りや仕掛けのタイミングがマッチせずに敗れたもので、悲観材料とはならず次走に期待できる内容であった。デビュー戦前の追い切りは本数が足りていない印象も、２週続けて吉村騎手を背にウッドで好時計をマーク。最終追いではラスト２Ｆ11.3-11.2秒とキレのある動きを披露し４番人気に推された。ややゲートに課題を残していたが、互角のスタートから先行集団を見る位置を確保。しかし３コーナー手前で折り合いを欠いた馬が後方内から迫り、外に弾かれ気味に馬順を下げる不利があった。中団まで下げられながら手応えには余裕があり、鞍上は４コーナーから大外に持ち出してスパートを開始する。早い仕掛けで先団に迫ったが直線入口まで内から６頭分程外を回るロスが大きく、ラスト12.0-11.5-11.3秒と加速したラップのなかコース取りのロスと早い仕掛けが仇となってしまった印象だ。先団との差は縮まらなかったが、ゴールまでしっかりと走り切り５着争いは制し、大外を回りながら上りは最速タイの34.7秒をマークしており、コース取りのロスが大きく響いた結果となっている。攻め量不足気味の過程から次走での上積みは大きく、コーナーで加速できるピッチ走法とスピードを武器に、同舞台ならデビュー戦以上の結果は確実で初勝利にも期待できそうだ。